小説とアニメのいいとこどりって

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小説が好き、漫画も好き、アニメも好き…全部が大好き。全部好きだから一番は選べない(何とも中途半端)けれどそれぞれのいいとこや違いを、ちょっとだけひとりごと。

はじめに小説について。

小説は言葉がたくさん集まってできています。挿絵はあったとしても少しだけ。作者の言葉から読者が想像力を膨らませて物語を読み進めていきます。たとえば、かの有名な宮沢賢治の銀河鉄道の夜だと、情景をこんなふうに表現しています。

ふしぎな声が、銀河ステーション、銀河ステーションと言う声がしたと思うと、いきなり眼の前が、ぱっと明るくなって、まるで億万の蛍烏賊(ほたるいか)の火を一ぺんに化石させて、そらじゅうに沈めたというぐあい、またダイヤモンド会社で、ねだんがやすくならないために、わざと獲れないふりをして、かくしておいた金剛石を、誰かがいきなりひっくりかえして、ばらまいたというふうに、眼の前がさあっと明るくなって、ジョバンニは思わず何べんも眼をこすってしまいました。

引用元:銀河鉄道の夜(宮沢賢治 著)

擬音をつかわずに目の前にキラキラした情景が浮かんできて、連なった言葉から音を拾うこともできる。“私”の銀河鉄道の夜が広がる。きっと読者の数だけそれぞれの銀河鉄道の夜があるのでしょう。想像の世界なので、“誰も知らない私だけのもの”って思ったらなんだか特別な感じがしますね。

漫画はどうでしょうか。

登場人物の表情、動き、効果音、言葉でさえ絵になり…たくさんの絵が集まってできています。作者と読者のイメージが重なって、同じ登場人物や情景のイメージを持つことができます。言葉を使わずに、絵だけで表現する場面もありますね。小説ではふわっと想像していた登場人物たちが漫画では、はっきりと絵になり、動き出す。特にバトルものだと読み進むスピード感があり、爽快感もあります。 

最後に、アニメ。

白黒漫画にはなかった色と音、絵が動くアニメーションが追加されます。色が付くことによって、より鮮やかにその世界を感じることができ、アニメーションが追加されたことで漫画では少し断続していたイメージが動き続ける。また、登場人物には声優さんたちの演技によって、命が吹き込まれ、空想のキャラクターであったものがヒトに近いものになっていく。そんな気がします。

どれが一番いいか?

と言われると選べないですが、いいとこどりなのは漫画かなと思います。アニメほど完成されていなくて、想像力を働かせないといけないけれど、小説ほど想像力をフル稼働しなくても手軽に楽しむことができる。また、アニメのように決められた時間ではなく、自分の好きなスピードで読み進められます。

作品の情報を得られる方法や情報量がどれも違い、それぞれにいいところがありますから、同一に並べてみることは本当に難しいですね。

みんな違ってみんないいってやつです。

最後までご覧くださりありがとうございました。