星の世界(星の界)の歌詞を考察してみる【教科書に載った歌】

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ちょっと難しい歌詞を私なりの解釈でまとめてみました。星の世界(界)にという歌について歌詞の考察をします。

私の雑考察&妄想解釈も大いに含みますので、こんな考え方もあるんだなー程度に気軽に流し見していってやってくださいね。

星の世界(星の界)の作詞者は誰?

◆川路柳虹(1888年~1959年)

  • 読み方:かわじりゅうこう
  • 詩人、評論家
  • 星の世界

◆杉谷代水(1874年~1915年)

  • 読み方:すぎたにだいすい
  • 詩人、劇作家、翻訳家
  • 星の世

星の世界(星の界)とは?

讃美歌312番「いつくしみ深き」チャールズ・コンヴァースが作曲したErie(エリー)へ杉谷代水や川路柳虹が新たに日本語の詞を付けた歌です。発表された順番はいつくしみ深き⇒星の世(杉谷代水)⇒星の世界(川路柳虹)。

現在教科書で主に歌われているのは、星の世界(川路柳虹)。星の世(よ)(杉谷代水)は、同じ日本語でも言葉が少し古く感じます。

星の世界を考察して意訳、解釈してみる

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歌詞考察その1

◆1番歌詞

かがやく よぞらの ほしのひかりよ
まばたく あまたの とおいせかいよ
ふけゆく あきのよ すみわたるそら
のぞめば ふしぎな ほしのせかいよ

出典:星の世界(川路柳虹,作詞)

輝く 夜空の 星の光よ

この部分は星が夜空に輝いているさまを受け取ることができます。

まばたく 数多の 遠い世界よ

まばたくは漢字にすると瞬くと書き、“またたく”と読むことができます。辞書によると、光がちらちらしたり、光が点いたり消えたりしている様子を表現する意味もあるようです。

あまたの=たくさんの星々。

見上げた空の星は手が届かない遠くにありますよね。

ふけゆく 秋の夜 澄みわたる空

一般的に冬になると空気が乾燥して綺麗に星を見ることができます。

だんだん冬へと向かっている様子です。

のぞめば 不思議な 星の世界よ

のぞめばは漢字で書くと望めばと書くことができ、辞書によると遠くを眺め見るという意味があります。

歌詞考察その2

◆2番歌詞

きらめくひかりは たまか こがねか
うちゅうの ひろさを しみじみおもう
やさしい ひかりに まばたくせいざ
のぞめば ふしぎな ほしのせかいよ

出典:星の世界(川路柳虹,作詞)

煌めく光は 玉か 黄金か

きらきらと輝く光は

玉=宝石

こがね=黄金

か=〇〇かのようだ(〇〇みたいだ)

宇宙の広さを しみじみ思う

夜空を眺めて宇宙の広さを感じている描写です。

優しい光に まばたく 星座

星の優しい光。

光がちらちらしたり、光が点いたり消えたりしているようです。

夜空には星座も見えます。

のぞめば 不思議な 星の世界よ

1番に引き続き同じ歌詞。強調しているのかな?と。

【その他】

~よ

何度も言葉の締めに出てくる“よ”。少し古い日本の言葉表現では感動・詠嘆(~だなぁ)といった気持ちを表すことに使われます。

意訳、解釈した歌詞

◆1番歌詞

夜空に星の光が輝いてきれいだなぁ。

明るくなったり暗くなったり点滅するたくさんの星々の中には

まだ知らない世界があるのかな?(きっとあるのだろうなぁ)

だんだん秋から冬へと向かうにつれて澄んだ空気も相まってこの夜空の星が綺麗に見えてくるのだろう。

仰ぎ見てみては思う、星の世界は不思議なものだなぁ。

◆2番歌詞

きらきらと輝くこの光はまるで宝石や黄金のようだ。

こうやって空を眺めてみると宇宙って広いんだなぁって心の底からそう感じる。

優しい光にチカチカと明るくなったり暗くなったり点滅するたくさんの星々に…星座。

何度仰ぎ見てみても思う、星の世界は不思議なものだなぁ。

星の世(ほしのよ)を考察して意訳、解釈してみる

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歌詞考察その1

◆1番歌詞

つきなき みそらに きらめくひかり
ああ そのほしかげ きぼうのすがた
じんちは はてなし むきゅうのおちに
いざそのほしかげ きわめも いかん

出典:星の界(杉谷代水,作詞)

月無き 御空に 煌めく光

月が無い空=新月か、雲が月にかかって一時的に見えないの何れかでしょうか。

夜空にきらきらと星が光っているようです。

嗚呼(ああ) その星影 希望の姿

嗚呼は少し古い日本の言葉表現では詠嘆を表現します。

星影は辞書によると星の光や星あかりを意味しますので、星の様子を表現しています。

望みとは願いそのものを表すこともあります。

星影は人々の願いや夢?のようなものかなと。

人智(じんち)は 果(はて)なし 

人智=知恵や知能といった言葉の意味で、類義語で英知といった言葉もあります。

果てなし=果てがない、終わりがない

無窮(むきゅう)の遠(おち)に

無窮=無限や永遠、限りない、終わりがない…といった表現です。果てとよく似た表現ですね。ですので終わりなく続いていくといったことなのかなと。

いざ其の星影 きわめも 行かん

いざ~行かん=さあ、行こうを強めにいった表現

星影=その願いや夢

きわめるには3つの漢字表現があります。極める、窮める、究めるです。

1番目の歌詞には無窮、2番の歌詞に窮理という言葉があることからおそらく、窮めると予想します。ちなみに窮めるとは極限まで突き詰めるということです。

歌詞考察その2

◆2番歌詞

くもなき みそらに おうとうひかり 
ああ ようようたる ぎんがのながれ
あおぎて ながむる ばんりのあなた
いざ さおさせよや きゅうりのふねに

出典:星の界(杉谷代水,作詞)

雲無き 御空に 横とう光

雲がない夜の空。

横とうは古語で横たふと書きます。この意味は、横たわるです。

嗚呼(ああ) 洋々たる 銀河の流れ

嗚呼は少し古い日本の言葉表現では詠嘆を表現します。

洋々=希望に満ちていている様子。川のなどの水がたくさん広がってある様子など。

仰ぎて 眺むる 万里(ばんり)のあなた

空を見上げて

眺む=物思いにふけってぼんやりと見る様子。

万里=1万里を表す言葉から、とても遠いということを表現している。

あなた=星影=望み・・・の終着点?終わりなき果て??

いざ棹(さお)させよや 

いざ=さぁ

棹=水棹。水底に棒を突っ立てて船を進めるのに使われていた棒。

現代でいうならボートとかで船をこぐときに使う棒のこと。

棹さす=棹を使って船をこぎ進めること。

棹させ“よや”となっています。これは強調する表現で、強く呼びかけるときに使われます。

窮理(きゅうり)の船に

窮理とは辞書によると、物事の道理(人として正しい筋道など)や法則を明らかにするという意味となっています。

意訳、解釈した歌詞

◆1番歌詞

月が見えない夜の空にきらきらと輝く光。

ああ、きっとこの空に見える星の光は人々の夢や願いといった望みの姿なのだろう。

人の知恵や知識を求めることは果てることなく(終わりがない)、無限のかなたに続いていく。

さぁ、星の光(望み)を求めるものよ、その果てまで向かって行こうじゃないか。

◆2番歌詞

雲一つないこの夜空に、横たわる星の光の束。

ああ、天の川の流れる様はなんと希望に満ちあふれた姿なのだろう。(そう見える)

夜空を見上げて眺め、遠くにある望みの終わりなき果てを思う。

さぁ、あの天の川の中に流れる星のようにたくさんある望みの果てへとこぎ進めようじゃないか!

この船に乗ってものごとの理(ことわり)…真理を突き詰めるために。

まとめ

2つの歌詞を比較すると杉谷代水さんの星の界をもとに川路柳虹さんの星の世界の歌詞が作られたのだなと感じる内容でした。

杉谷代水さんの星の界は、とても難しいです。古語がたくさん入っていて、普段の生活では使うことのない単語もありますね。辞書なしではうまく読み取れませんでした。

星を見て、解明されていない謎や英知やまだたどり着けていない答えへと思いを馳せる。そして、自分もその謎へと向かい、追い求めるロマン。輝く星々の美しさや、天の川の壮大さも表現されており、とても美しい情景が脳裏へと思い浮かぶ歌詞です。

川路柳虹さんの星の世界は、子供が見てもなんとなくわかる歌詞でいいですね。星って不思議だな、綺麗だなってのが前面に感じられて、なんだか可愛らしい雰囲気の歌詞になっています。素敵な歌詞だと思います。

さいごに

初めて歌詞の考察をしてみましたが、歌詞にはいろいろな思いが込められていて素晴らしいですね。私の勝手な考察と解釈ですので、もちろん自分はこうじゃないと思う!といったご意見もあると思います。

その場合はぜひ、ご自身の言葉で考察、解釈してみてくださいね!

またの機会があればまたその他の歌も考察していきたいと思います。

最後までお付き合いくださり誠にありがとうございました。

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参考:goo辞書 - 国語・英語・四字熟語のオンライン辞書(https://dictionary.goo.ne.jp/)

今週のお題「秋の歌」よりお題をお借りしました。